特別賞
「私にとっての宝もの」

大府市立北山小学校 4年

内野井 速人

ぼくの「宝もの」を考えてみた。

ぼくの好きなものはいろいろある。ゲームも好きだし、プラモデルも好き。友達も好きだし、お父さんも大好きだ。ぼくは、好きなものは、大事にしたい。だから「宝もの」かも。でも、もう少しよく考えてみたら、ぼくが赤ちゃんの時から大事にしているものがあった。それは、アンパンマンの赤ちゃん用の毛布だ。それがいつにきたのかお母さんに聞いてみた。お母さんは「一才のおたん生日よ。」とこたえた。ばくは今、9才でもうすぐ10歳になる。お母さんは、「アンパンマンの毛布のほかにも、ちがう毛布を買ったけどあなたはそれしかだめだったのよ。」と言った。毛布なのに、夏でもそれをだいてねていた。友達の家にとまる時もそれをもっていた。友達のお母さんに「暑いのに」とわらわれた事を今もおぼえている。この毛布のどこが好きかと言うと、まず、毛布の角だ。三角にとがっている所が大好き。手の平でさわっていると落ち着く。あと、絵も好きだし、においも好き。お母さんには、ずっと前から、「毛がもうないからすてるよ。」といわれてるけど、ぜったいにだめ。新しい毛布がきても、これはすてない。ぼくは、今、小学生だから、この毛布を持っていかなくても、おじいちゃんの家とかにとまれるようになった。でも家にいる時は、ねむたくなるとぼくの毛布をさがして、まるまって、テレビを見る。なんだかいつもうれしい。友達にみつかったらわらわれるだろうなと思うとすこしはずかしい。ぼくの毛布は、ぼくをずっとしっている。ぼくのみていたゆめにもでてたかもしれないな。ぼくが、かなしくてなく時もしっている。

ぼくは今、体が大きくなってこの毛布じゃ体がかくれなくなった。ちょっと前は、ぼくの体と同じぐらいだったのにな。なんだか、すこしさみしい気持ちになる。くるくるとぼくの体がかくれるのが好きだった。ぼくは、大きくなっているんだなあと思う。まだまだお兄ちゃんやお父さんみたいに大きくなるんだなあと思う。ぼくの毛布は、もっともっと小さくなってしまうんだろうなあ。だって毛布は大きくならないから。ぼくは、ぼくのこの毛布が大好きだ。だから小さくなっても、やっぱりいてほしい。ぼくの体が大きくなっていくけどぼくはすてないで、いっしょにねたいなあと思う。お母さんは、また「すてなさい」とかいうだろうけど、ぼくは、まだいっしょにいたいなあと思う。

ぼくにとっての「宝もの」ははずかしいけど、アンパンマンの小さな毛布かもしれない。