日本福祉大学生涯学習センター長賞
「大切な野球ボール」

武豊町立緑丘小学校 6年

山縣 徹也

ぼくの宝物は、友達からもらった野球ボールだ。

ぼくは、一年生の時、友人と同じ少年野球のチームに入った。その友人とは、いつも学校から帰ってきたら野球をして楽しんだり、休みの日は一緒に野球に行ったりした。だが、その友人が、三年生の時、宮城県に引っ越してしまうことになったのだ。それを聞いたら、悲しくて泣きそうになってしまった。あんなに毎日楽しかったし、いつも一緒にいたので信じられなかった。聞いたその次の日から引っ越すまで、いっぱい遊ぼうと思った。そして、引っ越す前の日、友人から一つのボールをもらった。軟式ボールに「元気にがんばってね」と書いてあった。これをもらった時、「本当に引っ越してしまうんだ」とくやしく思った。

その友人と別れてから、三年たった今、ぼくはずっと同じチームで野球をやっている。仲間もたくさんできたし、野球をすることがとても楽しい。そして今、ぼくにはとても良い目標ができた。友人は、宮城県の強いチームに入って野球をやっているそうだ。強いチームに入っているのだから、すごくハードな練習をしているんだろうなと思う。負けないように一生懸命練習をして、差が出ないようにがんばらなければという目標ができたのだ。

まだ友人が引っ越していなかったらどうだったんだろう。一緒にキャッチボールが出来たり、同じ試合に出たりして、今よりうまくなっていたかもしれない。だけど、友人が引っ越してから考えが変わった。いつも一緒に野球をやる人がいなくなったので、自分で自主練習をしないとうまくならない。だから、素振りや壁当てなど、自分のペースで練習することができ、自分で考えて野球をすることができるようになっていた。少年野球の練習以外に自主練習をして、ぼくの目標を大切に守っていきたい。

いつか、遠くにいても同じ野球をしている友人と会って、以前より力強いキャッチボールをすることがぼくの夢だ。それがもらったボールと同じくらいの宝物になれるように、いつまでも大切で大好きな野球をし続けていきたい。