特別賞
「元気になれるあいさつ」

東海市立三ツ池小学校 4年

妹尾 康平

「ただいま。」
ぼくは、学校から帰ると家中にひびきわたるくらいの大きな声でさけぶ。すると、
「おかえり。」
「おかえりなさい。」
「康くん、おかえり。」
と、お母さん、おばあちゃん、おじいちゃんの三人の声が返ってくる。ぼくが一日のうちで一番大好きなときです。

学校からの帰り道、家が見えて来る最後の百メートル、ぼくは、おもいっきりダッシュします。その足音でお母さんは、家の中にいてもぼくが帰ってきたことがすぐにわかるそうです。だからぼくが、げん関の戸を開けるとすぐに、
「おかえり」
と、ぼくが『ただいま』を言うのより先に言葉をかけてくれることもあります。そうすると、ぼくは、もっとうれしい気持ちになります。そして、学校であった楽しいことや、自まんしたいことをお母さんたちに話します。お母さんたちもにこにこしながら話を聞いてくれます。反対に、友だちとけんかしてさみしい気持ちで帰ったとき、ぼくの『ただいま』の言葉でお母さんは、
「どうしたの、なにかあったの。」
と、ぼくに心配そうな顔で聞いてくれます。お母さんに話すとぼくのいやな気持ちが少しなくなります。だから、ぼくはこの時間が大好きです。

そのことをお父さんに話すと、お父さんも会社から帰って来たときに、お姉ちゃんやぼくが、
「おかえりなさい」
とげん関まで元気に出むかえに来てくれたときはとってもうれしいけど、言葉がなかったり、元気がなかったときは、どうしたんだろうと不安になるんだと教えてくれました。

『ただいま』『おかえり』の短い言葉でも、言い方によって人を元気にも不安にさせてしまうことがあるんだと気づきました。そして、同じあいさつなら、ぼくもみんなもにこにこ元気なあいさつをしたいと思いました。

家族だけではありません。学校から帰ると中、近所の人やおばあちゃんのお友だちもぼくを見ると、
「おかえり」
と、声をかけてくれます。今までは声をかけられてから
「ただいま」
と答えるだけでした。でもこれからは、知っている人に会ったら、ぼくから先に
「ただいま」
と元気な声をかけてみようかなと思います。なぜならみんながいつもよりもっとにこにこで、
「おかえり」
と言ってくれる気がするからです。