特別賞
「大好き知多半島」

東浦町立片葩小学校 6年

向井 綺音

「おじいちゃん、まだ痛いの。」
「だいぶよくなってきた。」

私のおじいちゃんは、左の腕の骨が折れました。かわいがっていた鉢を二階に上げる時、階段から落ちたのです。なのに、鉢が無事でとても喜んでいました。そんなおじいちゃんが、私のおじいちゃんです。

秋、さつまいもほりをやらせてくれます。畑は海の前です。休みの日には、朝五時に畑へ行きます。さつまいもは、毎年豊作でした。弟と楽しみにしている日です。長ぐつをはいて、軍手をはめて、ワクワクします。

「よいしょ。」
「うー、えい。」
さつまいもがどんどん積まれます。ほり終わったら、記念写真をパチリ。次は、バーベキューです。待ってましたと海の近くへ移動です。

さつまいもを焼きながら、昔はカニがものすごくたくさんいたんだよというおじいちゃんの話が始まった。夜になると海へ向かって、海岸通りを横ぎって行くんだ。大群だよ。車も少なくて遊びに来てた人達も喜んで見てたんだ。みんな横歩きだ。平和だったんだなぁ。だけど、自動車も増えて、ひかれるカニもでてきた。今では、海の中の岩をどかしたりしないと、小ガニもみつからんなぁ。海は、今でも変わらんけど。そんな話を聞くのもきらいではありません。おじいちゃんにも、いろいろあったのだなぁと思う時です。

知多半島を海岸に沿って一周まわるのも好きですが、高台に沿って行くのも好きです。景色が良いです。畑の作物が大きく育って、野菜をつくっている人のガンバリが伝わってくるようです。気持ちがいい。お花畑もあります。一面ひまわりを見た時は、何だかうれしくなってきました。今は、我家の庭に元気のいいひまわりが一本太陽に向かってさいています。満開です。おじいちゃんが種をまいたひまわりです。おじいちゃん、ありがとう。

海岸で地引き網漁をやっていました。たくさんの親子や若い人達が、力いっぱい網を引っぱています。うれしそうです。私も、何がとれてるのか、網があがってくるのをワクワクして待っていました。

「ハッハッハッ。」
「すごい。」
海の中っていろいろあるんだなあと、思いました。タコが動きまわっています。スーパーの魚と違って、うろこもついているし、目が生き生きしています。元気がいい。カニだっている。頭の中が海になっていました。自然っていいなあ。いい自然はずっと続いてほしい。おじいちゃんの子どもの頃の海のように、なくならないで、ずっと守られてほしいと思いました。

今おじいちゃんは、孫の私達やまわりの人達に楽しい思い出をいっぱいつくってあげたいといつも思い動いています。そんなおじいちゃんにいつまでも元気でいてほしいです。