半田市生涯学習推進協議会賞
「わたしのじまんの弟」

武豊町立緑丘小学校 3年

椎野 奏海

わたしは、2つ下に弟がいます。からだの右がわが、少し小さく生まれてきました。でも弟は、わたしよりもよく動きまわるし、よく走るし、とても元気です。びょう気だということをわすれてしまうぐらいです。

弟が年長さんになってすぐ、足の手じゅつをしました。わたしは、
「元気なのにどうして手じゅつするの?」
と、お母さんに聞きました。
「足の長さがどんどんちがってくると歩きづらいからだよ。」
と教えてくれました。長い入いんになると聞いて、弟も大へんだけど、わたしもとてもふあんになりました。

弟の手じゅつは、4時間かかりました。手じゅつのあとは、とてもいたがって、お母さんは、ねないで足をさすっていたそうです。わたしは弟がかわいそうだと思いました。お母さんと弟に会えなくて、さみしかったけど、弟ががんばってると思うとがまんできました。

入いんは長かったけど、週まつだけ、家に帰ってくるようになりました。弟はころぶとあぶないので車イスです。車イスにのるようになって気づいたこと、思ったことがたくさんあります。車にのるのも、おりるのも大へんです。ちゅう車場には車イスや体がふ自由な人がとめられるスペースがあります。ほかのちゅう車スペースよりも、少し広めにしてある、お店もあります。車イスをたたんで車にしまう時、スペースが広いととなりの車に、ぶつからずにしまうことができます。とても親切だなと思いました。でも時どき、ふ自由でもない元気な人が、そこにとめるのを見たことがあります。せっかくお店が考えてくれているのに、かんけいない人がとめたら、本当にひつような人がり用できなくなります。うちの車もとめられないことがあって、わたしはとてもいやな気もちになりました。でも、弟が車イスでなかったら、ずっと気づかなかったかもしれません。

弟は、入いん生活が楽しかったみたいで、家に帰ってきて、またびょういんにもどる時もいやがりませんでした。わたしは、びょう室には入れなかったけど、びょうとうの前まで行ったことがあります。弟は小学生のお兄さんたちと、楽しそうにあそんでいました。かんごしさんもとてもやさしそうでした。お母さんは、
「かんごしさんはびょうきのことだけじゃなくて心のケアもしなきゃいけないから大へんだよね。」
と言っていました。弟が手じゅつもリハビリもがんばれたのは、かんごしさんのおかげかもしれません。とてもすてきなおしごとだと思いました。わたしも大きくなったら、やさしいかんごしさんになりたいです。手じゅつをがんばった弟は、わたしのじまんです。