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 えびせんべいの里の原点は、疎開先だった南知多町豊浜で創業者が始めたえびせんべいの仕入れ・販売業です。創業当初は仕入れでしたが、半年後には4畳半の部屋に焼成機を入れ、製造をスタートさせました。創業者のえびせんべいにかける熱量は凄まじく、商品開発や販路開拓に奔走する姿はまさに“一心不乱”。それらは実を結び、工場の新増築が進みました。しかし、今日までの道のりは順風満帆だったとは決して言えません。昭和56年12月25日、要であった美浜工場が火災により完全に焼失してしまったのです。私たちが途方に暮れていたところ、火災を知った取引先の機械メーカーさんが機械を提供してくださることになり、ならばと、自宅の横に急遽、即席の倉庫を建てて操業を再開しました。火災からわずか2週間後でした。実はその機械は別の業者さんに納品予定だったのもので、ご厚意により提供してくださったとのこと。取引先の方々をはじめお客様からも「待っているから頑張って」と温かい声援をたくさんいただき、苦難を乗り越え、何とか立ち直ることができました。今日まで事業を継続できているのは取引先の皆様、えびせんべいを待ち望んでくださるお客様のおかげ。皆様の存在が私たちを力強く動かしています。 弊社の根底にある「より美味しいえびせんべいを皆様にお届けしたい」という情熱は、創業者の時代から何も変わりません。今でもえびの仕入れは私が現地で味を確かめて買い付けていますし、良いえびを探し求めて海外に出向くこともあります。素材をふんだんに使うことも継承したこだわりですね。自信を持ってお届けできる良質な素材ですから、1枚のせんべいに1gでも多くのえび、いか、タコを入れるよう努力を重ねています。また、素材の旨味を引き出すため調味料は砂糖、塩、うま味調味料とごくシンプル。出来を左右する生地の練り工程は、創業時と同じく職人が担当するなど伝統製法を守り続けています。後援会法人会員探訪3129先々代の情熱と、皆様への感謝が原動力。株式会社えびせんべいの里えびせんべいを通して感動を。お客様が私たちを動かす。えびせんべいを通して感動を。お客様が私たちを動かす。しらふじ よしやす白藤 嘉康代表取締役ガラス越しにえびせんべいの製造工程が見られる

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