06特集 SDGs達成に向けた日本福祉大学の取り組み31日本福祉大学 副学長福田 秀志日本福祉大学 学長児玉 善郎日本福祉大学 常務理事国立長寿医療研究センター名誉総長大島 伸一大島 こうした問題について、私は理系よりもむしろ文系の大学が中心となって引っ張っていくべきではないかと感じています。ですから日本福祉大学には一つひとつの課題に正面から向き合い、取り組み、情報共有しながら目標に向かってほしいと願っています。それにSDGsは現代社会の諸問題を理解し、普遍的な倫理観を育むきっかけとなるため、教育機関が取り組む重要性は大きい。SDGsのゴール達成に貢献するのはもちろんですが、学生自身が自らの成長につながるような学びができるようにしていただきたいと思いますね。福田 大島先生に指摘いただいた情報共有の面では、本学のこれまでの取り組みが必ずしも社会に発信できていない点から、2019年9月に「国連アカデミック・インパクト(UNAcademicImpact)」に登録しました。これは大学の社会貢献、社会の発展に寄与するための活動と、国連のめざす社会変革の活動を連携させることを目的としたプログラムで、国連の定めた10原則を積極的にサポートする活動が求められています。アカデミック・インパクト参画を契機に、SDGsを基軸とした国連と連携した教育、研究、国際貢献を積極的に展開していきます。さらに、SDGsを指標とした「大課題に向き合い、情報共有しながら解決を。2019年9月11日、国連アカデミック・インパクト(UNAI)へ加盟。日本福祉大学は、2019年9月11日に国連アカデミック・インパクトに加盟。参加団体として国連に承認されました。国連の定める10原則のうち、日本福祉大学は「原則1」、「原則2」、「原則3」、「原則4」、「原則5」、「原則6」「原則8」、「原則9」、「原則10」を中心に取り組みます。アカデミック・インパクトは、国連の推進する右記の10原則を支持し促進させるというコミットメント(積極的に取り組むことの約束)によって成り立っており、参加団体は、これらのうち1つ以上を積極的にサポートする活動を少なくとも年に1度行うことが求められています。原則1:国連憲章の原則を推進し、実現する原則2:探求、意見、演説の自由を認める原則3:性別、人種、宗教、民族を問わず、 全ての人に教育の機会を提供する原則4:高等教育に必要とされるスキル、知識を 習得する機会を全ての人に提供する原則5:世界各国の高等教育制度において、 能力を育成する原則6:人々の国際市民としての 意識を高める原則7:平和、紛争解決を促す原則8:貧困問題に取り組む原則9:持続可能性を推進する原則10:異文化間の対話や相互理解を 促進し、不寛容を取り除く国連アカデミック・インパクト加盟証1970年、名古屋大学医学部卒業。社会保険中京病院で腎移植等、泌尿器科医として勤務。1992年に副院長に就任。その後、名古屋大学医学部泌尿器科学講座教授、名古屋大学医学部附属病院病院長を経て、2004年、国立長寿医療センター総長に。現在は名古屋大学名誉教授、国立研究開発法人国立長寿医療研究センター名誉総長を務める。1985年、神戸大学大学院工学研究科環境計画学専攻修了。博士(工学)。民間の都市計画事務所・株式会社計画技術研究所研究員、神戸大学工学部技官、産業技術短期大学助教授を経て、2000年に日本福祉大学社会福祉学部に赴任。大学院社会福祉学研究科長、社会福祉学部長補佐、社会福祉学部長、執行役員(高大接続)を経て、2017年より学長を務める。1992年、名古屋大学農学部林学科卒業。1997年、名古屋大学大学院生命農学研究科林学専攻修了 博士(農学)。1996年から1999年まで日本学術振興会特別研究員。2003年、日本林学会賞受賞。2008年より日本福祉大学健康科学部福祉工学科バリアフリーデザイン専攻長、2011年より健康科学部福祉工学科長、2013年より健康科学部長、2017年より副学長を務める。
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