特別賞
「親切にすること」

半田市立半田中学校 3年

数井 奈穂

世界にはとても多くの国がありますが、その一つ一つに国民の特徴や文化というものがあると思います。私たちが住んでいる日本は挨拶ができて礼儀正しい、何より親切なことが特徴だと思います。この前、改めてそれを自分で実感することがありました。

学校の行事で名古屋まで行った時のことです。一度も行ったことのない場所が研修先だったので、みんな不安でいっぱいでした。案の定途中、どう行けば良いのか道がわからなくなりました。少しの間みんなで探しましたがどうにもならず、誰かに聞いてみようという話が出ました。最初話しかけたのは通勤途中のサラリーマンの男性です。その人も場所はわからなかったようで、わざわざ携帯を出して調べてくれました。忙しい中そこまでして説明してくれて、私たちはとても助かりました。他に迷った時も、誰一人嫌な顔をせず、みんな丁寧に道を教えてくれることに驚きました。そして、そんな優しい人ばかりだということがとても嬉しくなりました。知らない人にでも親切にできる日本は本当に素晴らしい国だと思います。

そんな中、他の国についても考えさせられる出来事がありました。修学旅行で東京へ行った時のことです。綺麗な場所を見つけたので写真を撮ろうという話になりました。私たちの前に撮っている人がいたので頼もうとしたのですが、困りました。日本人ではなく中国人だったからです。やはり中国人に話しかけるのは怖かったし、「頼んでも写真なんか撮ってくれないだろう」と思いました。かと言って、わざわざ歩いている人に頼むのも気が引けたので、みんな立ち尽くしてしまいました。その時、私たちの困っている様子を見て向こうから話しかけてくれました。言葉は通じなかったので、一生懸命ジェスチャーを使って「写真を撮りましょうか?」と言ってくれているようでした。日本語が話せないのに、何とか伝えようとしてがんばってくれている姿に心打たれました。同時に、中国人だから頼めないなどと失礼なことを思った自分がとても恥ずかしくなりました。

今回のことで、国のイメージで人を決めつけたり、偏見を持つのはいけないと思いました。そして、自分とは違った国の人でも、言葉がわからなくても、お互いが思いやりを持って接することが大切だと思います。私は親切にするということは、こんなにも人を感動させられるのだと実感しました。

「困っている人がいたら助け合う」という文化が、これから先もずっと続いていくといいなと思いました。そして、それがみんな当たり前のようにできる世界になったらどんなにいいだろうと思います。誰もが他の人の立場、気持ちになって考え、親切にすることができるようになればと思います。私はそんな風になりたいです。そのためにまずは、周りに気を配り人が喜ぶことをする、というようにしていきたいです。