特別賞
「泳げるようになったわけ」

半田市立板山小学校 4年

奥平 恵理

わたしは、泳ぎがとくいではありません。最初は顔を水につけることができませんでした。

わたしの学校では、四年生から25メートル泳げないと夏休みに水泳訓練があります。クラスのなかよしの友達はみんな泳げるので、出て行くのがいやで仕方がありませんでした。

訓練の前に、おふろで顔をつけて練習しました。お姉ちゃんが、一生けん命教えてくれました。でも、どうやって息つぎをしていいのかわかりませんでした。

訓練の日、ドキドキしておなかがいたくなりました。何回もトイレに行っているわたしを見て、母が
「無理にがんばろうとしなくてもいいんだよ。最初は、みんな泳げなかったんだから。」
とはげましてくれました。少し気持ちが楽になって、わたしは走って家を出ました。

訓練は、三人グループに先生が一人ついて行われました。先生が、
「水の中で息をブクブクふくと、苦しくなくなるよ。」
と教えてくれました。おかげで、いつも水を飲んでしまって苦しかったのがなくなりました。そして、何回か練習していくと、きょりがどんどんのびていきました。最後の5メートルぐらいになった時、となりで先生がさけびました。
「あと5メートル。何でもいいから泳ぎきれ。」
わたしは、半分おぼれかけのような形で、必死になって泳ぎました。気づいたら25メートルのかべをタッチしていました。
「すごいすごい、おめでとう。」
とみんながほめてくれました。先生やみんながずっとわたしのことを見ていてくれて、おうえんしてくれていたのです。わたしは、うれしくて仕方がありませんでした。

泳げないわたしに泳ぎを教えてくれた姉、はげましてくれた母、泳ぎ方を教えてくれた先生、ずっと見守ってくれた友達。わたしは、一人で泳げるようになったんじゃなくて、まわりのいろいろな人のささえがあって、泳げるようになったんだと気づきました。

家に帰って、家族に泳げたことを伝えると
「やったね、おめでとう。」
と飛び上がってよろこんでくれました。すごくうれしくて心があったかくなりました。

わたしが、泳げるようになったのはたくさんの人たちのおかげです。わたしにとって、わすれられない一日になりました。次はわたしが、だれかのささえになりたいです。