特別賞
「私たちの未来のエネルギーについて」

半田市立亀崎中学校 2年

仙波 槙子

甚大な被害をもたらした東日本大震災から、三年以上の月日が経ちました。

まだ、多くの人たちが元の生活に戻れず、避難生活を送り、仮設住宅で暮らしている地域もあります。

私は震災のとき仙台に住んでいました。今もあの怖さは思い出すだけで身震いがします。幸い私の住む町は被害が少なく、早い段階から普通の暮らしを送れるようになっていました。宮城県で生まれ育った友達は、皆今も同じ町で生活していますが、私は震災後、すぐに母の実家がある愛知県へ引越しました。それは、東京電力福島第一原発が事故を起こしたことが大きな理由です。

私が生まれた時から、当たり前のように使っていた電気。人間が現代生活をして行く上で欠かせないものの一つです。それを作るための施設が起こした事故で、たくさんの人が避難生活を強いられるとともに、食品や水などの放射能汚染が広範囲に広がるなどの甚大な被害をもたらしたことは、私だけでなく多くの人がショックを受けたと思います。もしもまた他の原子力発電所での事故が起こったら…そんな思いから、日本のエネルギー問題に興味を持ちました。

今現在、日本にある原子力発電所はすべて稼働していません。代わりに火力発電所が八割の電力を供給しているそうです。しかし、日本の火力発電所は老朽化が心配され、輸入燃料のコストが高いことも問題となっています。資源の少ない日本は、輸入に頼らざるを得ないのです。

そんな中、注目を浴びているのが再生可能エネルギーと言われるものです。資源が少ない国としては、日照や風量などをエネルギーとして利用出来たらこんな良いことはないと思います。

日本ではまだこのエネルギー開発は難しく、自然を利用することは現段階では余りにも不安定といえます。しかし実際にドイツでは、いち早く電力消費を押さえ、脱原子力、脱石油を実施し、風力ではすでに世界一の発電量を誇っているそうです。日本もそんな国に一日でも早くなってほしいと思います。

それは、ただエネルギーを自然に変えるだけではなく、一人一人が電力消費を押さえる努力をすることが大切です。今まで電力供給を原発に頼りきって生活してきて、それは危険だから突然変えようなんて都合が良すぎます。中学生の私でも出来ることは、常に省エネを心がけ、小さなことでもできることをする、その意思表示をし、行動することも大切です。

原発に頼らず、家族が安心して暮らせる未来を、そして今もなお、故郷へ帰れない多くの人のためにも、あの悲しい事故を忘れずにエネルギーを大切にしたいと思います。

一人の小さな意識から、いつかきっと国全体の意識は変わっていくと信じて行動していきたいと思います。