特別賞
「八月六日に思ったこと」

大府市立大府中学校 2年

川田 伸太郎かわだしんたろう

八月六日は、広島に原爆が落とされた日。

八月は、日本人にとって戦争を忘れてはいけない大切な月だ。七十一年前、広島、長崎に原爆が落とされ、多くの命が失われた月だ。

僕は、戦争に対して反対である。なぜなら戦争があると必ず死者が出て、多くの人が悲しんでしまうからだ。つまり、戦争からは、悲しみしか生まれないということだ。戦争には勝ち負けはなく、誰もが加害者にも被害者にもなり得るものだと考えるからだ。たとえ戦争に勝った国があっても、ケガをしたり、人が死んだりすることは必ず起きる。勝っても負けてもまた戦争をくり返せば、やはり、悲しみが増えるだけだと僕は思う。

僕は、「永遠の0」という映画を何度も見た。戦争のことは知っていたけれど、この映画を見て少し戦争に対する気持ちが変わった。この映画は特攻隊についての話しで、国のために命を捨てる若者の姿が心情とともに伝わってくるものだった。特攻隊員になった人達は、どういう気持ちだったのだろうか。国のために命を捨てることを誇りに思うと聞いたことがあるが本心はどうだったのだろうか。そんなことが当たり前の日本だったなんて、今では考えられないことだ。僕がその時代に生きていたとしたら、本心を言えないまま、我慢してやはり戦争に参加していたのかな。

今年、アメリカ大統領のオバマ氏が来日した。伊勢志摩サミットに来て、アメリカが原爆を落とした広島を訪れていた。自分の国が行った行為でできた原爆ドームの姿を見て、どう思ったであろうか。物だけではなく、そこに住んでいた人々の命の重さ、悲しみを、人としてどう感じ取ったのであろうか。オバマ大統領の言葉から、戦争はいけないことだとやはり僕は思った。

では、僕達に今できることは何なのだろうか。今の生活は、戦争などなく、国のために命を捨てるということもない。この平和な日常は、昔つらい過去を乗り越えてくれた人々のおかげであると思う。今僕が、過ごす毎日、友達と遊ぶことや好きな野球ができることは、とても幸せなことだと思う。何でもない日常が平和なことなのだと改めて思う。

そして、日本人として、戦争のことを学ぶことや、戦争はどれだけおそろしく、悲しいものなのかを次の世代へ伝えていかなければならないと思う。

僕は、僕のできることをまじめに続けていこうと思う。何事にも自分のやるべきことを一つ一つ積み重ねていくという地道な努力を忘れないでいたい。