半田市教育委員会賞
「自然が人を育てる」

武豊町立武豊中学校 2年

大崎 柚葉おおさきゆずは

最近、まだ幼いのにゲームに夢中になっている子をよく見かけます。自然が減り、自然の中で遊ぶことが少なくなってきているのではないでしょうか。自然は子供の将来に大きな影響を与えると思います。

私が小さい頃は、母がよく家の近くにあった自然公園に連れて行ってくれました。夏には虫の合唱、秋には、あたり一面に落ちているどんぐりや落ち葉など、季節ごとに違ったおもしろさがありました。いくら遊んでもあきずに、一生懸命遊んでいたのを覚えています。

このことについて、私は疑問を持ちました。小さい頃は自然の中で遊ぶことが当たり前だと思っていましたが、今はなぜわざわざ自然公園まで行って遊んでいたのだろう、他にも遊ぶものや場所はたくさんあったのに、と思うようになりました。理由を聞くと母は、
「小さい頃にたくさん自然と触れ合い、感性豊かになって、芸術を楽しんでほしかったから。」
と言いました。

私は感性について深く考えたことがありませんでした。なので、始めはなぜ感性豊かなことが大切なのかよく分かりませんでした。別に感性が豊かでなくても、生きていけるのではないかと思いました。感性について気になったので調べてみると、
「物事を心に深く感じ取る働き。」
とありました。物事を心に深く感じ取ることができれば、自然の中に平気でゴミを捨てたり、いじめや虐待をしたりする人はいなくなるのではないかと感じました。自分のすることが小さなことでも、積み重なればどうなるか考えることができるからです。これは大きくなって、環境問題、戦争などへの関心にもつながると思います。豊かな感性は、人間が生きていくうえで、とても大切なものだと感じました。

しかし、今は子供たちが遊べるような自然が減っています。昔、虫取りをして遊んでいた空き地も家が建ってしまいました。森の中を探検して歩いたり、自然の中のアスレチックを楽しんだりした野外活動センターもなくなってしまいました。自然の中で遊ぼうと思うと、わざわざ車で出かけなければいけません。これでは自然の中で遊ぶことが少なくなってしまうのも当然です。

感性を豊かにしてくれるのは、ゲームではなく自然です。だからこそ、大人から子供まで楽しめて、気軽に集える自然いっぱいの公園が必要だと思います。新緑の中を散歩したり、小川で遊んだり、どんぐりや落ち葉を拾ったり、雪合戦をしたり、小さい頃にたくさん自然と触れ合った子供たちが、将来大きくなったらきっと環境問題、戦争などへの関心も高まるでしょう。自然が減り、自然の中で遊ぶことが少なくなっている今だからこそ、小さい頃にたくさん自然と触れ合うことの大切さに皆が気付いてくれるといいです。