特別賞
「僕には、友達がいる。」

半田市立乙川中学校 3年

竹内 玲詩たけうちれいじ

僕は独りでした。体が弱く、体調を崩しがちで学校を欠席することも多々ありました。そのため友達もおらず、休み時間に一人で過ごすことがとても多い、そんな学校生活でした。

その時の僕は、その状況に特に何も思うこともありませんでした。読書中、文の横ではクラスメイトの話す声が聞こえる、そんなことも悪くない、とそう思っていたと記憶しています。いえ、「思っていた」というのは少し違うかもしれません。今でも同じことを思う時はあります。でも、もう一つ別の感情も浮かんでくるようになりました。寂しい、僕も仲間になりたい、という孤独の感情です。それでも僕は勇気を持てませんでした。

そういった学校生活を僕は中学校入学して間も無くから、二年生になり、そして三年生に進級するまで続きました。僕は嫌でした。親や先生方に心配をかけ、そして大きな迷惑を掛けている自分が。僕は、変わろうと思ったんです。気持をしっかりと持ち、自分に負けないように。

僕は努力し、三年生になるとほとんど、学校に行けるようになりました。でも、それで一年生と二年生の頃の溝が埋まる訳もなく、僕は独りのままでした。まぁ、ほぼ二年間、学校ではずっと一人で居るため、一人にも慣れた訳で、思うところはありませんでした。

三年生に進級して少し経った頃僕に友達が出来ました。それは三年生の生活班での初めての話し合いの時でした。僕はいつもと変わらず、ただ傍観を貫いていました。皆もそういう人だと考え、僕のことなど見もしない。そう思っていたからです。でも、今回は違いました。僕の方にも話を振り、意見を求められました。久しぶりのことに戸惑いながらも答え、僕は少し温かい気持になったのを憶えています。

それから僕は少しずつ、人と話すよう努力しました。そのお陰か話す人も機会も増え、友達も少しずつ増えていきました。

それからの学校生活はいままでとは全くちがうものでした。共に笑い合える友達がいる。それだけで目の前の景色が明るく見えました。それだけでいままでの一人だった生活が楽しくなりました。

僕は友達の大切を知りました。「持つべきものは友」、「人生の財産は、友である。」という言葉がありますが、その意味を、僕は知ることが出来た気がします。

僕は独りでした。体が弱く、体調を崩しがちで学校を欠席することも多々ありました。でも、今は違います。自分に負けないよう努力し、それを支えてくれる人がいる。

僕には友達がいます。