特別賞
「憧れの人から学んだこと」

半田市立半田中学校 2年

松下 夢実まつしたゆめみ

私には今、とても憧れている人がいます。その人は、私の隣の中学校の一年上の先輩です。彼女は、私と同じテニス部でとてもテニスが上手です。少なくともこの知多半島では、ちょっとした有名人です。先日の郡大会でも、一回戦、二回戦…と順調に勝ち進み、準決勝、決勝では大きな盛り上がりを見せました。
「次の試合もがんばってください。」
「絶対に優勝してください。」
と、彼女とすれちがう他の中学校の人までもが声をかけていました。私も
「応援しているので、がんばってください。」
と言うと、とびっきりの笑顔で
「ありがとうございます。」
と気持ちのいい大きな声が返ってきました。

私はなぜ、彼女がこんなにもみんなから応援される選手なのか考えてみました。まず、テニスが上手です。サーブはトスが高く、正確です。打ったボールはとても速く、チャンスボールは必ず決めます。彼女の打つときのフォームはかっこよく、私は大好きです。次に、彼女はいつも大きな声を出し、笑顔でいます。彼女はチームのキャプテンで、彼女のつくるチームはとても明るく元気です。このチームの雰囲気は、これから私たちがつくっていくチームでも、大事にしていきたいことです。

私は、私たちの後ろの観客席にたまたま座っていた彼女のお母さんと話す機会をもちました。彼女のお母さんからは、とても貴重な話を聞くことができました。彼女は、学校での練習以外でも、たくさんの努力をしているということを知りました。家では、腹筋やスクワットなどの筋トレをしたり、食事に気を使っているそうです。私も、素振りや筋トレをやり始めましたが、なかなか毎日続けることはできません。継続することは大変だということを改めて実感しています。そして、最後に、彼女のお母さんは、
「あの子が、一番大事にしていることは、ペアの子がミスをしてしまっても、決して責めないことだよ。責めても、ペアも自分もいい気持ちにならないからね。反省は終わってからでいいもんね。」
と話してくれました。私はその話を聞き、とても感動しました。確かに彼女はペアがミスしてもいつも笑顔でねばり強くプレーしています。私は、彼女がみんなから応援されている理由が分かった気がしました。

これから私たちが部活の最高学年としてテニス部をひっぱっていかなければなりません。一人一人テニスが上手になり、強いチームになることはもちろん、いつも大きな声を出し、笑顔を忘れず、周りの人たちへの気配りを大切にし、みんなで気持ちよくプレーできる、そんなチームを目指します。ミスをしても、たとえ負けても、気持ちをきりかえて笑顔で前を向いている憧れの彼女との出会いは、私の一生の宝物になります。