半田市生涯学習推進協議会賞
「変わるもの、変わらないもの」

半田市立半田中学校 1年

青木 小羽あおき こはね

私は半田市に住んでいます。半田市で行われる祭りに参加しており、平井組という組に入っています。平井組の創建年は大正四年、現在の山車は大正七年に新造された、百年を超える歴史のある組です。山車の名前は神明車といいます。毎年四月の祭礼では山車の町内びきをし、神明社への神楽や三番叟の奉納を行います。その中で私は平井組の囃子方の一員として笛を吹いています。私は平井組の町民一体となった温かい祭りが大好きです。

大好きな祭りですが、今と昔では違いがあります。今では女子である私も囃子方として参加できますが、昔は男性しか参加できなかったと組の人に聞きました。つなを持つことも許されなかったと言っていました。私は、なぜ今は女性でも参加できるのかと尋ねると人口の減少、少子化が大きな原因と教えてもらいました。囃子方も少子化が原因で男子だけでは人数が足りず女子も参加できるようにしたそうです。平井組では二十五年ほど前に初の女子の囃子方が誕生したそうです。今その女子は囃子方長として私達、囃子方の師匠となり笛を教えてくれています。一方で昔から変わらない事もあるそうです。山車の組立方は昔から変わらずくぎを使用せずに組立てられ、右や左に大きくかじ切りされてもこわれない様子を見ていた私は驚きました。囃子も昔から変わらず師匠から教わり変わっていないものの一つです。楽譜はなく指を見て、まねて覚える方法で変わらず伝えられてきました。

長い歴史の中で大きく変化する部分と変わらない部分があるのは大切な祭りという文化を守っていくために必要な変化と変えてはいけない所があるのだと思いました。祭りを守るには多くの人の力が必要であり、山車を守るには決して変えてはいけない組立方があり、守らなければならない囃子がある、代々伝えられた組立、囃子は変えてはいけない大切な物、それらを守るためには人が多く必要であるため、性別にかかわらず祭りに参加できるよう変わる必要があったと思いました。人口減少、少子化をニュースでよく見ます。これから先大切な祭りの文化を守っていくためには、祭りの楽しさと大切さを考えて、参加したくなるように広める事が大切だと思いました。そのためには、五年に一度の半田山車祭りのような市外からも多くの人が来てくれる祭りでより良い囃子ができるように練習をがんばります。できる事が少ないですが、少しでも平井組の文化を守る事に貢献できるようにしたいです。

一つの物を守るには変化しなければならない事、変化してはいけない事があると知りました。これは祭りだけに限らず必要な事だと思いました。昔は良かったとよく聞きますが、その頃を知らない私は昔と変わったらしい今も悪いと思いません。今だって良いです。それは、昔も今も変わらず良い所、変わったからこそ良い所があるからだとこの祭りを体験し、調べたから思いました。