特別賞
「たくさんの人に魔法を」

東浦町立北部中学校 2年

小澤 京花こざわ きょうか

私の母は明るくておもしろいです。グループのリーダーや役員などにも積極的に取り組んでいます。料理も裁縫も上手です。

そんな母は、たくさんの人に魔法をかけます。この前の日曜日私は母と妹と弟とプールに行きました。泳ぐのが苦手な私に「一回泳いでみて」といって見てくれて、その後に、「ここはこうした方がいいよ」と詳しくアドバイスをしてくれました。最初はアドバイス通りにやってもうまくいきませんでしたが、母に笑顔でほめてもらうとやる気がでて、私も魔法をかけられました。その後はどんどん上達し、プールの最初の授業のときより十六秒も速くなりました。

他にも、弟がぐずぐずしたときや私が悩んでいたり、悲しんでいたり、困っていたり、相談したときなど、母に言葉をかけてもらうともう一瞬で魔法にかかります。言葉をかけてもらうだけでなく、母の明るさとおもしろさでも魔法にかかってしまいます。

例えば、家族で話しているときに母がふざけたりすると笑いがおこります。母の仕事の人から母あてにくる手紙には、必ず母のおかげで「笑顔になれます」や「楽しくすごせます」などのメッセージが入っています。私たち家族だけでなく、他の人まで魔法をかけてしまう母はすごいと思います。でも、決して母は人を不幸にする魔法はかけていません。人を笑顔にし、楽しく幸せにする魔法をかけています。

私は、そんな母が大好きです。私には母だけでなく育ててくれて、支えてくれて、大事にしてくれる家族がいます。けれども、日本には家族と暮らせていない子供がいます。私はその現状を詳しく知りませんが、私たちがその現状を知らなくてもいいのでしょうか?私はだめだと思います。今日本には、親の病気や経済的な理由、虐待などによって、親に育てられていない子供たちが、約四七〇〇〇人いると言われています。家庭的な環境で育てられることが子供の権利であるにも関わらず、日本ではそれが守られていないのです。私は、きっとこの子供たちはとても悲しいんじゃないかと思います。家庭の理由で親と暮らせなかったら、私だったらとてもたえきれません。

私の暮らしはとても幸せです。大人になって子供ができたら、家族がなかよく一緒にくらせるように、母のような魔法使いになりたいです。家族だけでなく、他の人にも魔法をかけたいです。私の周りの人が、私といると「楽しい」や「笑顔になれる」などと思ってもらえるように毎日明るく過ごしたいです。私は、習い事で演技をするときに「笑顔がステキ」と言われるので、それを武器に魔法をかけたいです。そして、家族とすごすことが当たり前と思われているこの世界で、家族とすごせていない子供がいるという現状を伝えて、子供たちに魔法の気持ちを届けることができたらと思っています。