特別賞
「方言のおもしろさ」

常滑市立南陵中学校 1年

中川 実柚なかがわ みゆ

私が大切にしたいこと、それは、「方言」です。理由は、毎日の登下校中に、交番の前を通ると、いつも交番の人に、
「ぐうろからいけよ、ぐうろから。」
と、言われます。少し前までは、「ぐうろ」のことを「ぶろ」だと思っていました。友達は「くろ」だと思っていました。初めて「ぐうろ」という言葉を聞いたので、驚きました。母に、「ぐうろ」は方言だよ、と言われ、常滑出身なのに、常滑の方言を知らなかったと思うと、ふしぎな気持ちになりました。

私の父は、転校をした経験があります。父は、福岡県から愛知県にひっこした時に、元々住んでいた、福岡の言葉が普通だと思っていたから、ひっこしてきて、言葉の違いに驚いたそうです。福岡では文の最後に「ばい」をつけていたそうですが、愛知県東海市では、文の最後に「だがや」をつけていて、驚いたそうです。

私の母は、高校生の頃友達と会話をしている時に、はずかしいと、思ったことがあるそうです。私の母は、中学校を卒業するまでずっと常滑育ちだったので、高校に入って、ちがう地域の人と話したときに、「べこ」という最下位を表す言葉や、「まぎる」という曲がるということを表す言葉が伝わらなかったそうです。今は笑い話になっているそうです。

私の祖母は、「とこなめ」のことを、「とこなべ」と発音します。私と母は、「とこなめ」と発音します。「とこなめ」の読み方は明治初期に、当時の常滑村の有力者が濁点の付いた「べ」をさけて県に届けたのが始まりだそうです。「とこなめ」と「とこなべ」には長い歴史を感じます。

「方言」とは、昔の人が伝えてきた大切な言葉であり、その地域の特色を表現するものだと思います。

私の父の両親は、長い間姫路市に住んでいたので、福岡県や愛知県にひっこしてきても、関西弁のままです。私は、よく関西弁を教えてもらいます。常滑市とは全然ちがう言葉で、おもしろいし、とても楽しいです。また、私も長い間常滑に住んで、常滑の方言を知りつくし、それを次の世代に伝えていきたいです。そして、何よりも、常滑の方言を使うことをはずかしがらず、昔から人々が伝えてきた大切な言葉だということを忘れず、ほこりをもって使っていきたいです。最後に、常滑の方言は、常滑の特色を表現するものなので、どの世代にも、「方言」を通じて、「常滑らしさ」というものを永久に残していきたいです。