特別賞
「わがまち自慢の特産品」

東浦町立北部中学校 2年

寺田 有歩てらだ ゆほ

あっ、今年もぶどうの直売が始まったね。ミンミンなく蝉の鳴き声とともに、近所のぶどう園での直売が始まると、毎年私は夏がやってきたのを感じる。

東浦町の特産品、東浦ぶどう。東浦町の中でも特に、私の住んでいる東浦町森岡には、たくさんのぶどう園がある。豊かな丘陵地を利用して、昭和三十五年頃からぶどうの栽培を行っているそう。毎年七月末くらいになるとまずはデラウエアの販売が始まり、お盆あたりになると巨峰の販売にかわる。東浦町森岡には、東浦森岡ぶどう組合があり、毎年まわりのいくつかの農園でぶどう狩りもできる。お盆あたりになると、ぶどう狩りをしにくる人や、ぶどうを買いにくる人たちをたくさん見かける。道端には、「東浦ぶとう」ののぼりがたくさん見られ、宅急便の車もたくさん集荷にきている。きっと地方の親戚や知人などに送っているのだろう。私も毎年、東京に住んでいるおじいちゃんおばあちゃんに、東浦のぶどうを送ってあげる。とっても甘くて美味しいねと、おじいちゃんおばあちゃんも毎年喜んでくれる。そんな東浦町のぶどうはわがまち自慢の特産品。

そんな自慢の特産品のぶどうを、毎年美味しくいただけるのも、ぶどう園の方々が一年を通して手をかけ、毎年の天候にも左右されながらもぶどうを栽培し、大切に育ててくれているからだと思う。私も小学校の時に、町探険という授業で近所のぶどう園を訪れたことがある。肥料をあげたり、冬の寒さからぶどうの木を守る為に幹にワラを巻いたり、ぶどうの剪定をしたりと、美味しいぶどうが出来るまでには大変な作業がたくさんあることを知った。そんなぶどう農家の方々も、後継者がいればいいけど、ずっとずっと続けていくのも大変なのかなぁと思った。つい最近車に乗りながら母とそんな話をしたからである。というのも、数年前まではぶどう園をやっていた所が、いつのまにか何軒かの住宅が建っていたり、またある場所ではアパートが建っていたり、またある場所ではたくさんのソーラーパネルが設置してあったり。
「ここも昔はぶどう園だったよね?売地になっているね。」
そんな会話を母としていた。

私は中学校へ毎日歩いて行くときに見えるぶどう園の景色、車に乗りながら坂を下って行くときに左右に広がるぶどう園の景色が大好き。こんな身近で美味しいぶどうを食べられることに感謝したい。東浦町以外の人たちにも、もっともっと東浦ぶどうを知ってもらえるようになるといいなと思った。これからもずっとずっと、東浦ぶどうがわがまち自慢の特産品であってほしい。