特別賞
「今の私にできること」

半田市立成岩中学校 1年

家田 佐和子いえだ さわこ

 「パチン、パチン」「シュッシュ シュッシュ」これは、私が通っている伝統文化お茶お花教室で聞こえる音です。生け花には全く興味はありませんでしたが、花が好きな自分に合うのではと母がすすめてくれて、始めてから五年目になります。

 伝統文化と名前がついているけれどきちんと調べたことがなかったので、辞書をひいてみました。「長い年月を重ね、原型をとどめながら受け継がれてきた文化や芸能」と書かれていました。華道、茶道や書道は今まで自分が続けていることだと思いました。そして、短歌や俳句、着付けや和菓子なども仲間に入ることに驚きました。

 お茶やお花のおけいこでは、多くの作法があります。お茶のときは集中しないと間違えてしまいますが、作法があることでむだな動きがなくなり、背筋が伸びる気持ちになります。また、ふくさをピシッとたたんできれいに着けるとすっきりします。花を生けるときには、「天・人・地」という構成を意識します。アレンジフラワーのように空間を花でうめるのではなく、生け花は空間を楽しみます。花材を見て、完成図を想像すると楽しくなり、自分のイメージぴったりに生けることができたときは満足感と達成感があります。そして先生にほめられるとうれしくなります。私にとってお茶お花のおけいこは、自分のペースで集中してできる、自分に向いているものだと思います。これからも続けていきたいもののひとつです。

  伝統文化について考えたときに、いつも気にしているものではないけれど、自然に周りにある、身近なものだと気付きました。身近にあるからこそ昔から長く続いてきたし、生活の一部になっていると思います。でも、歴史や考え方、作法など教わらないとわからないことばかりです。自分が知ろうと思わないと自然に身に付けることが難しくなっています。私は将来、花に関わる仕事に就きたいという夢があります。教わることで、将来につながるかもしれないと思うと、ますます楽しくなります。

 半田市には伝統や文化を感じるものが多くあります。例えば山車祭りや半田運河、半六邸や小栗家住宅など、いつも周りにあるものです。日本ならではの伝統文化や、住んでいる街の文化的価値のあるものを「なんとなくあるもの」とするのはもったいないことです。今の自分に教えることはできないけれど、知ることはできます。これからも今できることを続けていきます。