特別賞
「制服と多様性」

東浦町立北部中学校 1年

水野 心寧みずの ここね

 あなたは、制服の多様性と聞いて何を思いうかべますか。制服の形・色・大きさなど様々でしょう。これから中学生になり制服を毎日着用している私が思う、制服の多様性について考えていきます。

 まず思うのが、制服の機能性の低さです。 私の通っている学校では、セーラー服が使用されています。 日本では中学校の過半数、高校でも二割ほどがセーラー服を使用しているそうです。しかし、セーラー服はかわいいですが温度調節が難しく機能性に劣ります。私の学校では、制服の下にセーターやカーディガンを着用したり、冷房が入る夏はジャージをはおることが認められています。けれども、一日の気温差が激しいときの衣服の調節ができず、ジャージだと重くかさばり、荷物の量が増え、持ち歩くのが大変です。これらのことは、体調不良にもつながる可能性が高く、とても扱いにくいです。 それもそのはず、日本が初めて制服としてセーラー服を導入したのは、大正九年だそうです。 セーラー服は形を変えつつもおよそ百年の間、制服として愛され続けたことが分かります。しかし、百年もあれば気候や考え方などは、社会に合わせて変化します。 近年では、セーラー服から温度調節がしやすく便利なブレザーへと制服を変更する学校が増えています。セーラー服でもカーディガンを着用するなど、服のぬぎ着をできるようにするといいと思います。

 もう一つ考えたことは制服のジェンダーレス化です。最近話題になっているジェンダー問題ですが、制服にも大きく関わる問題です。制服は女の子はスカート、男の子はズボンが当たり前になっています。 しかし、この考え方はもう古いのではないかと思います。 社会には白い目で見る人がいるかもしれませんが、私は女の子がズボンを着ても男の子がスカートを着てもいいと思います。そこで、調べてみるとオーストラリアでは、スカートかズボンかを選べる学校が多いようです。このように、制服の種類を選択できる学校が日本にも増えてきています。 その理由には、ジェンダーレスやトランスジェンダーの生徒への配慮も含まれます。 またズボンには、防寒や動きやすさといった利点もあります。私はこのような取り組みを広げていくことも大切だと思います。

 今年は東京でオリンピックが開催されました。私は開会式の各国の入場で、国の代表として同じユニフォームを着て笑顔で入場する選手たちを観ました。 そこで、制服やユニフォームは所属やその地域の特色を表す大切なものだと知りました。 だからこそ制服の多様性は重要なことです。従来のやり方を守ることは良いことですが 、それをおし通すことは良いことではありません。また、これらのことは制服に限った話ではありません。どんな人でも心地よく過ごせるよう様々な視点から物事を考えることが、より良い社会へとつながっていくのではないでしょうか。