半田市生涯学習推進協議会賞
「人それぞれの個性を大切に」

武豊町立武豊中学校 2年

西川 和香那にしかわ わかな

 自分の家族が、人から差別を受けたり、偏見を持たれたりしたらどう思いますか。

 私には、一人の弟がいます。弟は、自閉症と知的障がいを持っており、生活と学習のペースに合わせるために、私と違う学校に通っています。

 友達やお客さんが私の家に来たときや、旅行のときなど、弟は周りのことを気にせずさけんだり、走り回ったりしてしまいます。私達家族にとって、弟がそのような行動をとることは、もう当たり前になっています。しかし、初めて見た人にとっては、変な子、不思議な子と思われてしまい、
「かわいそう。」
「普通じゃない。」
と、言われることもあり、私はとても辛い思いをしました。でも、障がいを持っている子達は、コミュニケーションをとるのが苦手だったり、勉強をみんなと同じペースで進められなかったり、人それぞれの特性があります。

 これは私達でいう、数学が苦手、体育が苦手ということと同じなのです。だから、彼らは決してかわいそうではなく、普通ではないわけでもないのです。さらに、弟や弟の友達と関わる中で、彼らはとても純粋な心を持っていて、それぞれに好きなことや得意なことがあり、毎日を一生懸命生きているということに気づかされました。そんな彼らに差別をしたり、偏見を持ったりすることはできないと私は思います。

 日本には、「障がい者差別解消法」という法律があります。この法律は、障がいのある人もない人も互いにその人らしさを認め合いながら、共に生きる社会をつくることを目指す法律です。私はこの法律の、「互いにその人らしさを認め合いながら共に生きる社会をつくる」という言葉がとても心に響きました。

 しかし、大きな声を出したり、走り回ったりされると迷惑だから優しくできないという人もいると思います。私は無理に優しくしたり、特別扱いしたりする必要はないと思います。自分の地域にこういう人がいるということを分かってあげるだけでいいのです。自分の周りに自分のことを分かってくれる人がいるだけで、障がい者の方達は心強いと思います。

 私たちは、一人では生きていけません。それは障がいを持っている人も同じです。一人一人が支え合って、差別や偏見を持たない生きやすい世の中になることを私は願っています。