特別賞
「私のご近所ネットワーク」

半田市立宮池小学校6年

太田 遥乃おおた はるの

 私の母はガーデニングが趣味で、庭の花に水をやるのが日課です。水やりの途中に通りかかった色々な人とあいさつをしています。近所の人や犬の散歩をしている人、中にはたまたま通った知らない人にもあいさつをします。私はそれを見て、なぜ知らない人にまで声をかけるのか不思議に思っていました。ある時、母にその事を聞くと、
「子供の頃から、ご近所さん同士みんなあいさつをしていたよ。それが当たり前だったから特に意識していないよ。」
という返事が返ってきました。私はそれがうらやましくて、まねをしてあいさつをしてみることにしました。

 一人目は、毎朝登校中に会う近所の人です。勇気を出してあいさつをしてみると、笑顔でいってらっしゃいと言ってくれました。それから何日かあいさつするうちに、今日は暑いですねなどという話もできるようになりました。その少しの進歩がとてもうれしくて、毎日声をかけるようになりました。そして、母がみんなにあいさつをするのは、このうれしさが理由なのかと思うようになりました。

 二人目は、犬と散歩をしているおじさんです。あいさつだけでなく、思い切って犬の名前も聞いてみました。すると、おじさんは笑顔でその犬の話を聞かせてくれました。緊張して声をかけましたが、最後は笑っておじさんと犬と別れました。

 ある日の夕方買い物から帰ってくると、おじさんと犬が道に座りこんでいました。 おどろいて声をかけると、暑さで犬がだっ水症状を起こして動けなくなってしまったと話してくれました。私は慌てて家から水を持ってきて、犬に飲ませてあげました。その間におじさんが車をとりに行き、犬を車にのせて帰ることができました。突然の出来事におどろき、犬が無事だったかとその日はずっとドキドキしていました。

 次の日、おじさんと犬がいつも通り家の前を通るのを見かけて、私は庭に飛び出しました。おじさんは、
「昨日はありがとう。助かったよ。」
とお礼を言ってくれました。私は元気な犬を見て、ほっとしました。勇気を出してあいさつをした事がきっかけで、役に立てたんだととてもうれしく思いました。

 あいさつから始めた私の小さなご近所ネットワークは、少しずつ広がっています。友達だけではなく、近所の人達ともつながる事で情報交換したり、困った時に助け合えるのはとても心強いと思います。ただあいさつするだけではなく、その先にできたご近所ネットワークを大切にしていきたいと思います。