特別賞
「画面から顔を上げれば」

知多市立八幡中学校3年

鰐部 彩葉わにべ いろは

 画面から顔を上げて、ちゃんと「その人」を見てください。「文字」ではなく、「言葉」で会話してみてください。そうしたら、きっと明るい未来が待っているはずです。

 スマホ。それはいまや私たちの生活において、なくてはならないものです。調べものをするとき、音楽を聴くときにはもちろん、友達とコミュニケーションをとるときに、スマホは欠かせません。学校で話したりないとき、メッセージのやり取りをするため。遊ぶ予定を決めるため。時には、最近あったことを多くの人と共有するため。私たち中学生の間では、様々な目的でスマホが使われます。それはとても便利なもので、私たちの生活を豊かにしてくれるものです。

 しかし、そんな私の考えを一変する出来事が訪れます。それはいつものように友達とLINEをしていたときのことでした。突然、私の送ったメッセージに既読がつかなくなり、返信も来なくなりました。それも、やり取りの途中で、既読は何日たってもつきませんでした。
「なにか怒らせてしまったかな」
「もしかしたらあの発言がまずかったかも」
考えれば考えるほど、そんなマイナスな思いが浮かんできます。その時気付いたことは、自分はあまり考えずメッセージを送っていたということでした。思い返してみれば、「文字」だからこそ説明を省くことも多く、送った相手が誤解するような書き方、嫌な気持ちになる書き方を多くしていました。

 学校でその友達と会ったときも、LINEでの一件が気になり、自分から無意識に避けてしまっていました。しかし一度(ひとたび)その友達と学校で話してみれば、そのLINEをしていたとき、急に用事が入って返信が出来なくなったこと、その後も機会がなくて返信できず、申し訳なく思っていたことが分かりました。

 LINEなどで行われる会話は、自分や相手の表情や仕草、トーンなどは伝わりません。だから、私のように誤解を招くことも少なくありません。今でも、「あのまま友達と『会話』しないままだったら・・・。」と考えるとぞっとします。

 スマホは私たちの生活を豊かにしてくれるものです。しかし同時に誤解が生まれやすいものでもあります。私は今回の一件でそのことを学びました。「文字」でコミュニケーションをすることが多い時代だからこそ、言葉選びに慎重に、文字ではなく「言葉による会話」で人とコミュニケーションをとれる人間でありたいです。そして画面の中での「相手」ではなく、目の前にいる「その人」を見てコミュニケーションをとることのできる、そんな未来になってほしいと願います。