私は、日本に永住するために、九ヶ月前にフィリピンから引っこして来ました。私の人生はがらりと変わりました。なれるのに大変でしたが、チャレンジやハッピーな気分があって充実しています。ふるさととは違う暮らしで感じる驚きや不思議さは、私にいろいろな見方を与えてくれています。
フィリピンでは、人々は親しく大きな声で語り合います。街はどこにいても騒がしいくらいにぎやかです。それに対して日本では、まわりの人への気づかいが行きとどいていて迷惑をかけないように規律正しく過ごしているので、街はおだやかです。
二つの国の文化の違いよりも、私にとって大問題なのは、教育システムの違いです。日本の学校は、私が感じるには、とても厳しく生徒が競争しているようです。学校で大事にしていることは、決まりを守ることと、勉強ができるようになることなのだと思います。フィリピンの学校はのんびりしていて、こんな競争はありません。そんな違いを感じていますが、私はこの学校で勉強したいと思っています。確かに初めは、言葉の壁があるので学習の内容に踏み込めませんでしたが、言葉がわかるようになってきたので、同じように学習していけると思っています。
日本は、私に多くのことを与えてくれています。それに、新しい生活で困ることがないように助けてくれる大切な友だちもできました。私は家の中で、勉強したり、アニメやまんがを楽しんだりすることもしています。
けれども、時々、フィリピンのふるさとが恋しくなり、悲しくなることがあります。ふるさとの私の家は、大家族でした。家族の誕生日やクリスマスなど、年に何度もお祝いをしました。お祝いの時は、外でレチョンという料理を作り、たくさんの人が集まって楽しく過ごしました。私は、このお祝いの時がとても好きでした。けれども、ここ日本では、お祝いをすることがありません。そのことが一番さみしいです。
それから私には、個人的に悪魔のように思える存在もあります。ですが、バランスを考えると、私のこの新しい生活は、よいものだと思います。毎日がチャレンジと成長のチャンスに満ちています。日本で暮らしてきたこの九ヶ月で、落ち込んでも立ち直ったり、自分をまわりに合わせたりする方法が身についてきました。
こんな経験をしている私から、みなさんに伝えたいことがあります。人生は、いい日も悪い日もある旅のようなものです。いろいろな人がいることを楽しいと思ってみましょう。大変な思いをしても、どんなことが起こっても、何かをやりとげたあなたは成長するのです。絶対乗り越えられます。だから、いつも笑顔で、前向きに考えて、出会った人には親切にしてほしいと思います。