私は、「半田運河キャナルナイト」に友達と行ってきた。毎年夏の夜に二日間開催されているアートイベントだ。私はこれまで半田市のイベントにあまり行ったことがなかったが、友達に誘われて初めて行ってみることにした。初めて知ったお店、幻想的な光、半田運河周辺の景色を見て、改めて半田市はいいところだと感じた。知っているようであまり知らなかった半田市の歴史や景色を、たった一回の経験で実感することができた。このようなイベントを通して、より半田市が活気付けばいいなとも思った。そんなイベントの様子や友人の話から、気付いたことがある。
それは、若い世代の人たちが半田市の歴史的なものではなく、屋台や話題のものなどに興味があることだ。五年に一度半田市で行われる「半田山車祭り」に行った人の話を聞いていると、屋台に行っただけで山車は見ていない、という人も多かった。半田市の伝統文化や歴史的な魅力は、一部の人にしか伝わっていないかもしれない。自分たちの生まれ育った半田市の歴史について、どれくらいの人が深く知ろうとしているだろう。地元の魅力についてどれくらいの人が気付いているだろうか。少なくとも私は学校の授業の一環で知り得たこと以上には知識がない。もっと知りたいという欲ももっていなかった。自分を含め、若い世代の人たちが、半田市の歴史や魅力を知り、守り続けていくにはどうすればよいのだろう。多くの屋台やアートを目的にキャナルナイトに来てもらうことはとてもよいことだ。だが、さらにその先の、「若い世代の人たちが伝統的な建物や歴史に興味をもつこと」とを結びつけるには……。
今夏、私の初めてのキャナルナイトが、いろんなことに気付かせてくれた。たった一回の経験も、時には大きな気付きとなり、その先を、未来を変えるかもしれないことが分かったのは、私にとって大きな収穫だ。
私は、半田市と常滑市などを比べると、何を目指しているのかが曖昧だと思っていた。今も半田市の未来が想像できていない。例えば、常滑市は市が一体となって観光業に力を入れていて、住民との距離の近さを感じる。町のあらゆる「遊び」や「体験」も一つの予約システムから簡単に予約できたり、市バスの運賃が無料で、住民はだれもが気軽に利用することができたりする。私たちが外側から感じることと中とではまた事実は変わってくるのかもしれないが、常滑市の向かう先が何となく見えてくる。これまで自分から半田市について学ぼうとすることはなかった理由は以上のことからだ。しかし、キャナルナイトを通して、もっと深く半田市のことを学んでみたいなとも思っている。
今回のように友達に誘われて新しい発見が生まれることもあるから、あまり興味のないことでも一度は触れてみることが大切だと思った。