特別賞
「差別のない世界をつくろう」

東海市立加木屋中学校1年

田村たむら なつ

 「障がいがある人って、わたしたちと違って普通じゃないからかわいそうだよね。」これは、私が町中を歩いていた時に、ある人が突然発した言葉である。そのとき私は考えた。それは本当にそうなのだろうかと。私は障がいがある人が普通じゃないからかわいそうだとは思わなかった。

 私は家族五人で暮らしている。そのなかに現在十一歳の「自閉症」という障がいがある弟がいる。自閉症の人には暗いイメージをもつ人が多いかもしれないが、実際、自閉症の人たちは、そんな暗い感じの人ばかりではない。

 私の弟もそうだ。私の弟は逆に明るくて、とても優しい男の子だ。よく、「いっしょに遊ぼう。」と誘ってくれたり、お話をしたりして、毎日が楽しい。笑いあったり、泣いたり、いろいろな感情や気持ちをもっている。障がいがあるので、うまくいかないことがあったら、パニックを起こしてしまうこともあるが、本当に弟、そして家族がいてくれてよかったと思う。

 弟にはいろいろな特徴があるが、そんななかで一番私が尊敬していることは、絵がうまいことだ。私の小さい時の記憶はあまり覚えていないが、弟は小さいころからよく、絵を描いていたらしい。小さいころからカラフルな絵を描いていたなんて、とてもすごいと思った。中学一年生の私を、はるかに超えている素晴らしい絵を多く描いていて、私は尊敬しかないし、自閉症の人には、こういったすごい才能があるということに、驚いた。

 自閉症があっても、普通の人との交流は大切だと思う。交流を通してみんなとつながることができるからだ。私は実際に障がいがある弟のいろいろな姿を見てきたからわかることである。弟は、交流を通して自分のコミュニケーション能力を身につけ、うまく人と関われるようになっていた。最近では家族全員で会話をすることも多くなっている。私は、その弟の成長に感動した。

 「障がいがあるからかわいそう。」これは本当なのだろうか。私はなるべく多くの人に、このような考えを捨ててほしい。たとえ自閉症などの障がいがあっても、同じ「人」だし、いろいろな気持ち、感情をもっていることは同じ。得意・不得意もある。みんな楽しく暮らしたいのもいっしょ。生活するうえで、みんながつながり、世界中が幸せになることが大切だと思う。

 将来は「差別のない世界」をつくりたい。私の弟のような障がいがある子たちが差別されるなんて、絶対に嫌だ。私はみんながつながる社会を目指したい。