
「人口減少社会のマーケティング 〜新市場を創る消費活動とは何か?〜」
「少子高齢化」という言葉は間違っている。正確には「少産多死化」であり、見方を変えれば
「増子中年化」でもあって、子供市場と超中年市場は急増する。また、人口増加社会であった
20世紀の延長で人口減少社会の21世紀をとらえてはいけない。人口波動学的な視点から見ると、
日本の歴史はこれまで4度の壁を経験し、加工貿易文明の限界を迎えた現在は5度めの人口減少期
であるといえる。人口減少社会の基本トレンドは成熟・濃縮・余裕であり、コンデンシング社会と
とらえるべきである。歴史を振り返れば、人口が減っても生産力は落ちず、低成長であっても
一人当たりの個人所得は増えている。さらに、人口減少は一方で絢爛たる文化を生んだことも
歴史が証明している。つまり、これまでとは違うニーズがいたるところに噴出するわけで、
経営者にとってはチャンスなのである。このような時代の人口減少社会のマーケティングでは、
労働生産性の向上と同時に、需要減少を覆していく創造生産性の向上とパラダイムの転換が求められる。