半田市生涯学習推進協議会賞
「平和について考える」

半田市立半田中学校 2年

川合 花穂

一九四五年八月六日、広島に原爆が落とされた。その三日後の八月九日には、長崎にも落とされた。死者・行方不明者を合わせて、広島では十二万二千三百三十八人、長崎では七万三千八百八十四人の方が亡くなった。その他にも、激しい吐き気などの急性障害や、悪性貧血などの後遺症にかかった方もいた。

私が、原爆を深く知ったのは小学生の時だった。子供記者として長崎に派遣されたのである。そこで、私は平和記念式典に参加をした。真夏の暑さの中、長崎市長の田上さんは、世界に向けて平和宣言を読み上げた。核保有国の国々が、この宣言を聞いていてくれたのだったら、私はとてもうれしく思う。

また、私は長崎新聞社に行って、被爆体験を記録している「被爆ノート」という記事を読んだ。そこには、六百四十名の方に聞いた話が書かれていた。中には、今まで体験を語らなかった方が、この記事を読んで、「今話しておかないと、自分が年をとってしゃべられなくなるかもしれない。」と思い、取材に応じてくれたこともあったそうだ。私は、この記事を日本中の私達若い世代も読むべきだと思う。戦争のことを知らないまま、大人になってはいけない。

私は長崎に行って、戦争のおそろしさ、そして原爆のもたらす被害の大きさを知る事ができた。二度と起きてはならないと思う。今もまだ苦しんでいる方がいるのだ。

私は、なぜ広島と長崎に落とされたのかを調べてみた。それは、アメリカ軍にとって、六つの候補地の中で広島と長崎は、平野が広がり被害が分かりやすいからだそうだ。そんな単純な理由で多くの命が奪われた。長崎に落とされてから六日後には終戦。武力で戦争を止めるのではなく、話し合いをして解決する方法はなかったのか。そうすれば、こんな大惨事にはならなかったはず・・・。

私は今年の夏、広島に行く事になった。昨年の平和式典にはアメリカのルース駐日大使が参列した。アメリカといえば原爆を落とした側。参列の理由は、はっきり示されていないが、核なき世界への大きな進歩だ。私は広島に行って、原爆と平和について中学生として考えてみたい。長崎では「なぜキリスト教徒の多い長崎を米国は攻撃したのだろう。」という当時の人々の強い疑念が印象深かった。今度は、原爆ドームが私に訴えかけるものをしっかり受けとめてみたい。

私は、笑顔で暮らせることが平和であると思う。今現在、世界では多くの国で戦争やテロが多発している。ノルウェーでも銃の乱射事件が起きたばかりだ。一人一人の幸せがそのたびに奪われているのだ。原爆もその幸せを奪ってしまった。原爆は、福島第一原発の事故とは違い、人が力を利用して落としたのだ。自然の力と違い、人の力は止められる。だから、「核なき世界」の実現は不可能ではないのだ。その方法を考えるために、勉強を続けていきたいと思う。