特別賞
「おじいちゃんとの時間」

東海市立横須賀小学校 6年

阿知波 美玖あちわ みく

私が大切にしたいことは、おじいちゃんと会う日です。豊橋にいるおじいちゃんは、一年程前から体の調子があまり良くありません。できることならお母さんや私が時々豊橋に行けるといいのですが、お母さんも仕事があるし、私も学校や習い事があるのでなかなか行けません。だからおじいちゃんとおばあちゃんが時々会いに来てくれます。

おじいちゃんは、少し前にやっていたことや話したことをすぐに忘れてしまいます。病院に通っていますが、良くなることはなく、少しずつ物忘れが増えてきているとお母さんが言っていました。食べる量もずいぶん減ってきて、だんだん歩く数も減り、私の家でもほとんどすわっています。そんなおじいちゃんですが時にはすぐ近くの駅まで私の習い事のむかえに来てくれることもあります。以前はいろいろな所へ一緒に行ったけど、今はあまり長く歩けません。だから、短い距離でもおじいちゃんの手をひいて歩くのも今は楽しいです。

物忘れが増えてきたせいもあって、最近はあまりたくさん話をしなくなりました。でも、時々思い出したかのようにじょうだんを言うので、みんな少しびっくりした後笑います。そんな時間が私は大好きです。

昔お父さんやお母さんが撮ってくれた私の小さい頃のビデオを見ると、おじいちゃんが私をだっこしていたり、一緒に走ったりしているのが写っていて、とても楽しかったのを覚えています。今はそんなことはもちろんできないけど、学校から帰って来た私をいつもすわっているソファーで、
「おかえりー。」
と言って私の名前を呼んでくれるのも最近の私の楽しみです。

先日お母さんとおばあちゃんが、おじいちゃんのじん臓の調子がどんどん悪くなっているから「とうせき」というのをやらないといけなくなるかもしれないと話していました。もしそのとうせきが始まってしまうと、週に三日ぐらい病院に行かないといけなくなるそうで、東海市にはなかなか来れなくなってしまうねと言っていました。本当は、いろいろな病気が治って又昔のおじいちゃんみたいにもどってもらいたいけど、今はおじいちゃんやおばあちゃんと会える一日一日を大切にしたいと思います。この作文をおじいちゃんに見せたら、
「ありがとねー。」
と言ってくれました。でもきっとすぐに忘れちゃうかな。