特別賞
「平和の実現」

半田市立成岩中学校3年

並田なみた 志帆しほ

 「怖いから早く帰りたい…。」と泣き出しそうになったのは、私が小学校四年生で鹿児島県にある知覧特攻隊平和会館を訪れたときだった。そこには、爆装した飛行機、特攻隊の遺品、家族宛ての遺書、さらには日の丸を背負った飛行機が敵の空母に体当たりし、散っていく様子を捉えた映像などが展示されていた。五年たった今でも鮮明に覚えている。当時の私は、怖さのあまり戦争のことなどはもう忘れればいいと思っていた。

 しかしそれは違った。現代でも戦争や内戦などで苦しんでいる人達はたくさんいる。ロシアとウクライナなどが例である。戦争が起きる原因は主に二つある。一つ目は「民族」での争い。民族の異なる人たちがその考えの違いから争いを起こすこと。二つ目は「宗教」での争い。信じる宗教の異なる人たちが、その考えの違いから争いを起こすこと。まとめると「考えの違い」という言葉がキーワードとなる。太平洋戦争は、中国や東南アジアへ軍隊を進めた日本と、これに反対するアメリカ、イギリスなどの対立がきっかけである。やはり、根本は「考えの違い」である。これを正す方法はない。だから中学生の私たちでもできることを考えた。

 それは、「保護のための募金」であった。金まかせか、と思われるかもしれない。しかし心身共に傷ついた人を放置していいのだろうか。募金をすれば食料を与えられるし、十分な治療が受けることができるので、一日でも早く体調を回復することが期待できる。

 また、戦争を知る必要がある。学校の歴史で習った上っ面な知識ではなく、その一つ一つの戦争について「どう思ったか」意見を持つべきだと思う。日本の若者や子どもたちだけではない。世界中の人にも考えてほしいと思う。

 今年で戦後七十九年がたつ私たちにとって「幸せ」とはなんだろうか。当たり前に生きる幸せ、ご飯を食べられる幸せ、学校に行けるなどがあると思う。私たちにとっては当たり前であるが、今戦争をしている国では、「幸せイコール当たり前」ではない。今私たちは、毎日学校に通えている。毎日おいしいご飯を食べている。そういう小さな幸せに感謝の心を忘れずに生きていかなければいけない。そしてウクライナのように苦しい思いをしている国がある。戦争の苦しさを分かっている国が助ける必要があると思う。人も国も助け合って生きるべきだと思う。簡単に世界平和が実現できるわけではない。しかし、今私たち一人一人が何をすべきかを考え、実行し、平和に一歩でも近づけるよう、努力することが大切だと思う。