特別賞
「感謝するということ」

半田市立青山中学校2年

野田のだ かん

 「今日も一日ありがとうございました。」
これは私のひいおばあちゃんが、毎日一日の終わりに言う言葉です。

 ひいおばあちゃんは、私の母の実家で暮らしています。来月百歳になります。よく遊びに行くので、ひいおばあちゃんと話す機会が多くあります。ひいおばあちゃんは戦争を経験しているので、私は小さい頃から戦争について聞くことが何度もありました。

 のどが乾いたら水を飲み、お腹がすいたらご飯を食べる。暗くなったら電気をつけ、夜にはお風呂に入り、ふかふかのベッドで眠る。これは私にとって何気ない日常生活の一部です。ひいおばあちゃんの時代では、戦後焼野原になり、何もない状態から住むための家を作り、生きるために畑を耕して作物を育てたそうです。常に空腹だったと聞きました。それは過去の話ではなく、私たちが生きている現代でも、世界のどこかで戦争が起きています。今の私の生活では想像もつかない日常です。

 ひいおばあちゃんは、絶対に食べ物を残さないし、電気もすぐに消すし、破れたセーターも編みなおしてまた着ています。これは貧しい時代を経験して、今ある暮らしが、「当たり前」だと思っていないからこそ、物を大切にする気持ちで、当たり前に感謝しているのだと思いました。

 私は、壊れてもいないし、まだ使えるのに、かばんや靴がすぐに欲しくなります。だからひいおばあちゃんの前では、何だか後ろめたさから、新しいものは見せられません。小さい頃に読んでいた、もったいないばあさんの絵本は、ひいおばあちゃんに似ています。「もったいないことしてないかい?」と言われそうです。

 ひいおばあちゃんはよく、
「ありがたい、ありがたい」
と言います。ご飯を食べる時、お風呂に入る時、家族が大勢集まってにぎやかな時など、いつも何かに感謝しています。

 私には家族、友達、先生がいて、伝えていきたい大切な思いを教えてくれるひいおばあちゃんがいます。私はとても幸せです。私もひいおばあちゃんの影響で、一日平和に終われることへ、毎日感謝を伝えるようにしています。

 私は、「当たり前」と思い感謝をしないのではなく、ひいおばあちゃんのように、どんなささいな小さなことでも感謝の気持ちを忘れずに、これからの日常生活や学校生活などを、豊かに、幸せに、ポジティブに送っていきたいです。