日本福祉大学生涯学習センター長賞
「「大好き」をつなげる」

半田市立宮池小学校3年

𠮷田 彩那よしだ あやな

 「やったー。ザリガニ十一ひき目。」
わたしは自ぜんかんさつ会に来て、福山川にすんでいる生き物をつかまえている。この日、わたしはアメリカザリガニ十一ひきとカダヤシという小さな魚を五ひきつかまえた。たくさんつかまえることができたので、わたしはにこにこしながらバケツの中をながめていた。
「何かつかまえられたかな。」
声をかけてくれた自ぜんかんさつ会のおう先生のバケツの中には、カダヤシとは全くちがう形の魚がたくさん入っていた。
「この長いのがウナギだよ。こっちのはゴクラクハゼだ。これはクチボソ。」
どれもねずみ色のにたような魚なのに、おう先生はすぐ名前がわかる。

 川から出ると、おう先生はつかまえた生き物で水族館をつくり、くわしくしょうかいしてくれた。わたしがつかまえたアメリカザリガニもカダヤシも外来生物といって、日本にもともといない外国から来た生き物だそうだ。外来生物は、日本にすんでいるざい来生物のすみかや食べ物をうばうので、ざい来生物の数がへっているそうだ。わたしはその話を聞いてから自分のバケツを見ると、ふくざつな気持ちになった。

 おう先生の説明はとても面白い。アメリカザリガニはウシガエルのエサとしてたった二十ぴきだけつれてこられたのに、今は日本全国どこでもいること、ミミズみたいなちっぽけなウナギはフィリピンの海から泳いでここまできたこと、わたしはむ中で聞いた。はじめは長ぐつの中に入る水や、かみの毛みたいなコケが気持ち悪くて、川に入るのがちょっとこわい、きたないと思っていたのに、今は川をこわいとはちっとも思わないし、茶色のにたような魚たちが、ユニークでかわいくみえてきた。いつの間にか、わたしはこの生物かんさつがとても楽しくなって、次のかんさつ会もぜったいさんかしようと決めていた。

 おう先生はぜったい生きものが大好きだ。生き物の話をしているときのおう先生はとても楽しそうで、にこにこしている。家にもたくさん水そうがあって、なん十しゅるいもの生き物をかっているそうだ。

 どうやらおう先生の「生き物大好き」が、わたしにうつったようだ。だから、わたしはこんなに楽しくって、川も、川の生き物も大好きになったのだ。

 先日、そ父としょうぎをした。しょうぎが大好きなそ父は、にこにこしながらしょうぎをしてくれた。わたしがこまった顔をするとヒントをたくさんくれた。負けてしまったけど、とても楽しかった。今わたしは、もっと強くなりたくて、しょうぎの本を読んでいる。そ父のしょうぎ大好きがわたしにうつったのだ。やはり「大好き」はつながっていくらしい。絵をかくこと、歌うこと、わたしにも「大好き」はたくさんある。おう先生や、そ父のように、わたしも自分の「大好き」をだれかにつなげられるような人になりたい。